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「ジャック、いい加減おきなさい!」
その声とともにベットから叩き起こされる…。 それがジャックという少年の朝の変わらぬ風景だった。 眠い目をこすりながらジャックはリビングへやってきた。 「父さん、母さん、おはよう」 「あぁ、おはよう」 「おはよう」 いつも通りに挨拶をし、いつも通りの朝食… ただ少年の運命はこの後大きく変化をする。 いつになく厳しい目をした父、そして母、そして放たれた言葉は、 「ナイトとなるため訓練所へ行け」 という言葉であった。 父は町では名の知れたナイトだったが、常々ナイトの上級職であるロードになる事が夢だと語っていた。 しかし、一昨年モンスターの討伐で大怪我をし事実上引退している。 小さい頃はそんな父に憧れてもいた。だが、少年は今違った夢を抱いている。 それはスナイパーになる事だった。 これはある有名なスナイパーの冒険記録を読んだ為だ。 様々な街、様々なダンジョンを渡り歩き、モンスターと戦い、そして色々なアイテムを集める。 少年にはとても楽しい事のように思えたのだった。 ナイト、ロードとなり町を守るのが嫌というわけではない。 それ以上にハンター、スナイパーが輝いて見えただけのこと…。 少年は父と母にその事を告げた。 結果…ボロ雑巾のようになり訓練所へ叩き込まれたのだった。 「では先生、ジャックをよろしくおねがいします」 「他でもない貴方の息子さんだ、鍛え甲斐がありそうですな」 全身打撲で朦朧とする意識の中ジャックはそんな会話を聞いた気がした。 翌日ジャックはこの世の地獄を体感していた。訓練師範代だと名乗る男にいきなり引きずられ 訓練所のモンスターハウスの中に放り込まれたのだ…素手のままで。 そして今スライムと格闘していた…否、逃げ回っていた。 これは当然といえば当然の事である。昨日まではただ普通の少年だったのだ。 いきなりモンスターの前に素手で放り出されれば混乱もする。 MAO島のモンスターはほとんどが温厚だ。さらに訓練所のモンスターは訓練のために飼いならされている。 特にスライムは大陸のものとは違い危険度はほぼ皆無である。 だが、少年であるジャックはそんな事を知る由もない。 「ジャックよ、なにをしている!戦わねば死ぬぞ!」 訓練師範代から怒声を浴びせられる。 「そんな事言ったって素手でどうしろってんだ!」 ジャックは必死に逃げ回りながら叫ぶが、訓練師範代は辛辣だ。 「戦士となるならばスライムなど素手で倒せんでどうするかぁ!」 それに対しジャックは心の底から叫んだ。 「俺は盗賊になりたいんだぁぁぁぁぁ!!」 少年ジャック、彼の旅は未だはじまっていない……。 次回へ続く・・・ ![]() (7)前へ / (9)次へ |
