ジャックのMAO島大脱出!
‡第8話‡
『いざリベンジ!!』
町での情報収集からクエストに対して自らの実力不足を知ったジャックは
経験を積む為モンスターを狩り続けていた。
「でりゃぁぁぁぁ!」
ジャックの剣がモンスターを切り裂く。
油断せずに暫くモンスターの気配を探るが動く気配は無い。
確実にしとめた事を確認し大きく息を吐く。
「ふぅ〜」
ジャックが旅立ちの町を出て既に3日が経っている。
その間ジャックは睡眠と食事以外はずっとモンスターを狩り続けていた。
初日はてこずった相手もいたが、
今では殆ど傷を負うこともなく倒せるようになっている。
「そろそろ町に戻って再戦の準備といくか」
クエストに期限がないとはいえ、余り長くかかりすぎると信用問題になるかもしれない。
そういった考えもあり、ジャックは町へと向かう。
既に馴染みの感がある宿屋で心身ともに休息を取ったジャックは
翌日、武器屋と防具屋、薬屋に立ち寄り装備を万全にし、
「今度は倒してみせる!」
誓いを胸に遭遇するモンスターを倒しながら山小屋へと向かった。
山小屋にたどり着いたジャックは早々にチキンと遭遇した。
素早いチキンだが、攻撃力はたいした事は無い。
動きをよく観察し逃がさぬよう間合いを詰め追い込む。
ジャックは冒険者として1つ殻を破ろうとしていた。
「逃がさない!」
逃亡の気配を一瞬見せたチキンに対し、一気に間合いを詰め斬り込む。
ジャックの攻撃をまともに受けたチキンは息絶えた。
「よし!」
ここ数日の成果が確実に感じ取れたジャックは拳を握り締めた。
「これでチキンの肉は手に入れた。あとは……」
言いながら剣を握り体勢を整え、
「お前を倒すだけだよな!」
後ろから現れたイボイノシシに対し反転して一気に間合いを詰める。
「でりゃぁぁぁぁぁ!」
イボイノシシは驚いたのか一瞬硬直し回避が遅れる。
そしてジャックの剣がその体を切り裂く。
「―――!!」
苦痛から言葉では表現できない叫びをあげるイボイノシシ。
だが、その目は怯えるどころか復讐の炎が宿る。
しかし、ジャックも負けてはいない。
睨み返しながら間合いを計る。
すると今度はイボイノシシが突進をかけてくる。
「予想通りだよ!」
盾を構え突進してくるイボイノシシに対抗する。
足腰に力を入れて踏ん張り、突進の力を削ぐ。
当然単純な力比べでは勝てないので、
力を抜き横へとかわす。
すると急に力のいき場をなくしたイボイノシシはバランスを崩しながら山小屋へと突進してしまう。
「盾をしててもやっぱり痛いな」
痺れる手を握り血行を促進し回復を早めながら間合いを詰める。
それに対しイボイノシシは先程の結果に納得がいかないのか、
怒りの雄たけびをあげながら再度突進してくる。
「もうその手は通じないんだよ!」
再度盾で受け止めようとするジャック。
だが、その瞬間イボイノシシが加速する。
「ちぃ!」
受け止める中心点をずらされたジャックは吹き飛ばされる。
幸い木などにはぶつからず大きなダメージは避けられたが、
流石に驚きを隠せない。
「学習したのか……」
擦り傷による痛みを無視して再度剣を取り構える。
対するイボイノシシも息が荒い。
今の攻撃でかなり体力を消耗したのが窺える。
それを感じたジャックは勝負に出る。
ダッシュで間合いを詰め、剣を振り下ろす。
「くらえぇぇぇぇ!」
イボイノシシは体力を使い果たしていたのかジャックの攻撃をまともに受け、
鮮血を撒き散らしながら断末魔をあげ地に臥した。
「ハァハァハァ……」
構えを取りながら息を整えていたジャックはその様子を見ていた。
そして完全にイボイノシシが動かなくなった後、
拳を握り締め勝利を実感した。
受けた傷は前回とは比較にならないが、
イボイノシシも必死の戦いを見せた為、
互角の中の緊迫した厳しい戦いだった。
それだけにジャックは大きな経験を得た。
「最後の突進に全てを賭けていたんだろうな」
イボイノシシの動かぬ体を見ながらジャックは考え、
いつもならば気にもとめないモンスターの死に思いを馳せる。
そして、自らに大きな経験をもたらしてくれた事に敬意を払い
山小屋のそばに穴を掘りその亡骸を埋めてやる事にするのだった。
感傷に過ぎないし、偽善なのかもしれない。
それでも、ジャックは自らの心のケジメと考え作業を進めた。
そして埋め終わった後、
その場所に木を立て一礼した後、町へと歩き出した。
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